2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
俳句雑誌『麦』2023年9月号(通巻837号) ★「枇杷」 対馬康子(5句) 紅潮の海を見ている遠郭公 ★特別作品「望郷」 坂本洋子(15句) 朧夜や拳届かぬ肩の凝り 燕来る空の続きに郷の空 青苔を剥がし戒名探す墓碑 ★地熱深耕 地熱集より対馬康子選 白シャツ…
令和5年度『収穫祭』第1位(2名同時受賞) 人新世の空 尾内以太 冬深し羽は上手に落ちるため 早世の道へ折れずに寒卵 寒鴉血は空気より重たくて 五分後の鳥を目の追う木の芽風 はばたきにまぎれはくもくれんひらく 鳥の体温ほどの語や春の闇 鳥雲に黄色い線…
令和1年度(800号記念)収穫祭 第1位夕焼けを追って 中山宙虫カーテンを外した部屋に春夕焼け昨夜から雨が重たい黄水仙エンディングノートに青と書く辛夷虐待をうじゃうじゃ邪推おたまじゃくし春落葉と空と水力発電所さえずりの舗道で友が消えてゆく監…
第67回(令和4年度)『麦』作家賞 鼓動 川守田美智子 混沌を生きて凸凹街余寒 啓蟄やあしたに適う鍵の束 反り返る聖書の頁ヒアシンス 樺太の父の風骨蜃気楼 散りゆくも契りのひとつ春惜しむ 泡盛の古壺の百態慰霊の日 八月の明日へ渡れぬ濁川 ガレージの…
第64回(令和元年度)麦作家賞 秋の風 井川春泉 過疎の道にいにい蝉は水平線 秋の風キリンの首は正義感 豊の秋長生きをする埴輪の馬 短日のうしろから出る青の骨 青空へ赤とんぼへる油田帯 目を開けて海の中まで寒々と 地を踏めば裸木としての不発弾 晩年は…
第39回(令和4年度)『麦』新人賞(2名同時受賞) 混沌のなか 徳山 優子 試着しきれぬ自我置いてくる花野 ぼうたんの嘘は真へ砂のくに 直角な手持ちの時間蝸牛 剥がせない付箋は残り年の暮 真夜中に放電するや曼珠沙華 東京にいくつもの島流れ星 薔薇の散…
第36回(令和元年度)麦新人賞 たとえば、変声期 片山一行 メビウスの帯つなぐとき降る時雨 凩や背骨の軋む音のして 夕暮れに睫毛の寒い猫が来る 虎落笛死者は生者を支えると 左義長の火の粉の臙脂色に飛ぶ オリオン座まで堕天使の行くらしき 海をまだ見ぬ…
『麦の会』の句会が各地で行われています。興味のある方、気軽におたずねください。 麦の会月例句会第2日曜日 13時~ 新宿区住吉町生涯学習館連絡先 笹木 弘(042-364-3506)東京研究会第1木曜日 13時~ 世田谷区北沢地区会館連絡先 内藤信男(03-3414-336…
昭和21年中島斌雄(なかじま たけお 1908年~1988年)により創刊された「麦」は平成28(2016)年で創刊70周年を迎えました。2023年10月号で通巻850号を迎えます。 麦の会会長 対馬康子 略歴 昭和28年香川県高松市生。昭和48年中島斌雄「麦」入会。 …
俳句結社『麦の会』のブログです。 2023年9月、移転してこちらで再スタートします。 旧ブログ(2023年8月まで)はこちらです。 俳句『麦の会』 (seesaa.net)