俳句雑誌『麦』2023年9月号(通巻837号)
紅潮の海を見ている遠郭公
★特別作品「望郷」 坂本洋子(15句)
朧夜や拳届かぬ肩の凝り
燕来る空の続きに郷の空
青苔を剥がし戒名探す墓碑
★地熱深耕 地熱集より対馬康子選
白シャツのひとみ緩まず多聞天 上瀧雅子
夏暁や転がっている助詞ひとつ 小野富美子
ぶらんこ降りて神に踏まれる影法師 中山宙虫
★第67回麦作家賞受賞第一作
『腑分けのとき』 川守田美智子(20句)
余花残花手を離れない誰かの手
掌の虹あたたかく消えにけり
麦秋や風より軽きペンの音
★第39回麦新人賞受賞第一作
『都市の迷宮』 徳山優子(20句)
チューリップぱっと咲いて情報過多
新宿で会いし文豪逝きし春
厄介な人間がいてちちろ虫
スクランブル一人のモブのげんげ草
墨海の海月となるやエンドルフィン
かき氷過去食べ尽くす詩人来る
★踏生集 同人自薦作品5句
★原生林(俳句教室) 斉田 仁 選
これやこの濃霧の大佛次郎館 藤田守啓
★誌上句会・・・四人の選者が交代で読む・選ぶ
選者 松末充裕
テーマ「時間」
遥かなる地球琥珀に生きる蟻 川守田美智子
失われた時に漂いボート漕ぐ 千田真理子
飛花落花生者は死者に忘れられ 高階 斐
その他
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中山宙虫
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